『乳房よ永遠なれ』(1955/田中絹代)覚書2021/8/12

「私が目つぶってる間に帰って」ってそれジュリーの勝手にしやがれやないかーい! と一人ツッコミを入れる。しかしなんだかな、森雅之が退場してから全く面白くない、バス停での別れと霊安室へ歩いて行って倒れるシーンと手鏡の演出以外もう全部ダメだ、ラス…

『友だちのうちはどこ?』(1987/アッバス・キアロスアミ)覚書2021/8/11

初キアロスタミ、子供が主人公ってだけで清水宏と結びつけるのも安直だけれども、どちらかと言えば『ルカじいさんと苗木』みを感じた。実際後半になると爺さんとの二人旅になるし、冒頭の坂道からしてもうルカじい。山岳地帯を子供が歩くというのがルカじい…

『祇園囃子』(1953/溝口健二)覚書2021/8/10

タイトル明けの1ショット目からもうキマりまくっているんだな、宮川のキャメラは。縦の構図、それも上からのこの構図は『無法松の一生』においても確認できる。 姉がお君へ謝罪する際のあの二人のショット、これも上から斜めに鋭角に捉える、これもキマりま…

『わたしは、ダニエル・ブレイク』(2016/ケン・ローチ)覚書2021/8/9

過剰な演出、誇張された演出。ここまでしないとパルム・ドールは獲れないのだろうか。本作で賞レースを勝ち抜いたからこそ『家族を想うとき』を撮ることが出来たと考えれば多少なりともその演出にも意義が見い出せるだろう。つまりトリュフォーの言う"本質を…

『祇園の姉妹』(1936/溝口健二)覚書2021/8/8

縦の構図。そりゃ祇園を撮るんだから当たり前と言えば当たり前なんだが田の字を、細い路を向こうからこちらに歩いてくる。 しかし溝口はやっぱりコントだね、"面白い"映画を撮っている。バルザック的と呼んでも良いものだろうか。コント__つまり神の視点。…

『チェンジリング』(2008/クリント・イーストウッド)覚書2021/8/7

役者の映画、アンジェリーナ・ジョリーの顔、涙を流し、希望を掴んだ彼女の顔__イーストウッドの演出力。『ミリオンダラー・ベイビー』然り彼はどう役者に役をつけているのだろう? ニコラス・レイと共通する疑問。演じるとは? シネマスコープの現代映画…

『ツィゴイネルワイゼン』(1980/鈴木清順)覚書2021/8/6

ダメだ、全くノれなかった。盲目の三人の話で、砂浜に埋まった二人が殴り合うのと青い桜のシーン以外は全部ダメだった。砂浜のシーンなんか完全に『みんな~やってるか!』のノリだしもちろん足元の三つの死体と蝋燭のショットとかも良いけどどうもカッコつ…

『緋色の街/スカーレット・ストリート』(1945/フリッツ・ラング)覚書2021/8/5

狂ったレコード、2回の反復。部屋に流れ込む階下のラジオの音、反芻される彼女の声__それらの音がクライマックスまで映画を高める、それはまるでオーケスラの演奏のように。細部の反復、リズム。これが演出というものだ。 ゴダールの音は、そしていくつか…

『マリヤのお雪』(1932/溝口健二)覚書2021/8/4

Youtubeにて鑑賞。 お雪「死のうったって寿命があれば助かるし 生きようと思ったってなければそれまでさ」という冒頭の台詞は志ん生の『疝気の虫』を彷彿とさせる。まあたまたま今日の昼間に聴いていただけなんだけども。酒と煙草を止めた奴が車に轢かれて終…

『國民の創生』(1915/D・W・グリフィス)覚書2021/8/3

クライマックス、KKKの騎兵隊が走るショットのモンタージュ、まずは斜めから、次に正面、また正面のショット__初めのショットはまるで『ラ・シオタ駅への列車の到着』を彷彿とさせる__それにしてもアメリカは未だに分断が続いている、この時代より現在の…

『CURE』(1997/黒沢清)覚書2021/8/2

よく食べる映画、よく飲む映画。横移動する映画。歩く、動く、歩く、話す、話すにも何かしらを食べていたり、手にしていたりする。酒を、たばこを、コーヒーを。そして歩く。歩いてキャメラを動かしている。 ライターの火、水。主人公は大して食べない、食べ…

『恐怖省』(1944/フリッツ・ラング)覚書2021/8/1

DVDにて鑑賞。 フィルマでケーキをマグガフィンにして巻き込まれるヒッチコック風~と若干揶揄されているけども、本作の降霊師の家のセット左側の窓を右に引き延ばしたらまさに『ロープ』のセットが完成するではないか! ラストの銃撃戦、屋上に出るシーンで…

『青空娘』(1957/増村保造)覚書2021/7/31

Youtubeにて鑑賞。 タイトル前の下から見上げるキャメラ、二人の背中、青空、タイトル__前半の見上げるショットの連続、これがバチバチにキマっているんだな。ピンポンのシーンなんかもの凄い、『暖流』のキャメラもかなりヌルヌル動くけどこっちはカット…

『暗黒街の顔役』(1932/ハワード・ホークス)覚書2021/7/30

DVDにて鑑賞。 機関銃の連射と日めくりカレンダーのモンタージュ! 射撃に合わせて日が進む。 ボウリングの球を構える男、投げるモーションに入ると銃声、男が倒れるとキャメラ転がる球を追いかけピンを倒す、と一本だけ遅れてコロっと倒れる__。 裏切者に…

『君と別れて』(1933/成瀬巳喜男)覚書2021/7/29

Youtubeにて鑑賞。 芸者の倅で父不在の中育った義雄は年ごろの青年らしく夜な夜な街を仲間と徘徊している、学校もサボって。母はもう中年なもんで客付きが良くない、義雄が芸者稼業を恥ずかしく思っていることは重々承知だが、なんとか彼が学校を卒業するま…

『帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件』書評

文庫版を図書館で借りて読んだ。文量がそこまで多くないので私にしては珍しく二日か三日でサクっと読み終えることが出来た。 本編を読み終えブログに書こうと考えていたことが、全て文庫版の角田光代による解説に先に書かれてしまっていた。まあ本作を読んだ…

『散り行く花』(1919/D・W・グリフィス)覚書2021/7/28

Amazonプライムビデオにて鑑賞。 グリフィスは本作においてサイレント映画の文法を確立させてしまった、それは第一に写真とテクスト(字幕)によって物語を語ること、第二にショットの連続で語ることを__そして運動、鞭でリリアン・ギッシュがはたかれるシー…

『子供の四季 秋冬の巻』(1939/清水宏)覚書2021/7/27

Youtubeにて鑑賞。 ついに復讐に成功した男、しかし家庭の影は一層深まるばかりである。権力、地位、そして金を得たとて息子は友人との遊び場を奪われ、妻も大の仲良しであった兄弟の母を裏切る形となってしまい__それでも父は仕事に口を出すことを許さな…

『子供の四季 春夏の巻』(1939/清水宏)覚書2021/7/27

Youtubeにて鑑賞。 父の最後の言葉「これからの一生で人より得をしようと思っちゃいけない。人が五銭で買うものは十銭出しなさい。十銭出すものは十五銭出しなさい。これは勉強でも仕事でも同じことだ。そして強く、強く、正しく、生きるんだよ、わかったか…

『さらば愛しきアウトロー』(2018/デヴィッド・ロウリー)覚書2021/7/26

アマゾンプライムビデオにて鑑賞。 映画館で観るべき映画、あぁ退院して早く映画館に行きたい! 久しぶりに最近の映画を観たけどもアマプラとはいえ音が段違いに良い。画面サイズも15.6インチのノートパソコンで観るのはあまりにも勿体ない。 なんだか懐かし…

『折鶴お千』(1935/溝口健二)覚書2021/7/26

Youtubeにて鑑賞。 初期の溝口はキャメラがよく動く、というよりかなりアメリカ映画の技法を積極的に取り入れているように感じる。パンでカットを割ったりであるとか、日本家屋を横移動でカットをつないだりだとか、セットを三回のパンで回っていったりであ…

『夜の人々』(1948/ニコラス・レイ)覚書2021/7/24

DVDにて鑑賞。フィルマークスの点数がムダに高いけどよく見るシネフィルはそこまでの点数つけてなくて安心した。正直微妙……なんか長ったらしく感じてしまったな。 時計を買った店の主人に犯行中に話しかけられてぶん殴るくだりとかかなり良くて、冒頭の誰も…

『愛怨峡』(1937/溝口健二)覚書2021/7/23

Youtubeにて鑑賞。 男が暴れ、警察署から引き取られた帰り道、港を歩く二人を横移動のキャメラが追う。カモメのモンタージュ、そう列車の車窓の景色も車内とのモンタージュがある。若旦那が隠れるようにして漫才を観るシーンもそう、1シーン1カットではなく…

『拾った女』(1953/サミュエル・フラー)覚書2021/7/22

形式美__そう、ある意味でかなり美しい映画。冒頭の電車がラストでまた電車、このセリフなしのト書き皆やりたい奴ね。スタイリッシュで__んでキャメラもそう、小津はこう見るとかなりハリウッドの形式のキャメラを日本でやっているとわかる。この規律、…

『瀧の白糸』(1933/溝口健二)覚書2021/7/21

Youtubeの活弁入りを鑑賞。割とサイレント時代は溝口センセも楽しい映画撮ってたんやかと思えばやっぱろセンセはセンセでした。女の粋、あの二人の橋の上のシーン、そして男の身の上話、両親に死なれた為に学問の道を諦め馭者として生活をたてていた。女は彼…

2021-1-5

10時 起床。0時からしっかり10時間寝たぞ 11時 ビーフンを食べる。 12時 テレビを観ながらだらだら。discordは自動で動くアイコン付きの掲示板だけどやっぱり匿名じゃないと気軽に書き込めないな、まだまだ5chは強い。 13時『100分de名著 資本論』を観る。

『ブラッド・インブラッド・アウト』(1993/テイラー・ハックフィード)覚書2021/7/20

Youtubeにて鑑賞。これは面白いね、三時間の尺に見合った脚本。そう、脚本の映画だネ。 一筋二抜け三動作を実感する映画。クソみたいな街で生まれて、ギャングの道を歩き出した三人。大体一番ヤンチャな奴が逆にマトモになって、一番ダメな奴が(落ちこぼれが…

『浪華悲歌』(1936/溝口健二)覚書2021/7/19

Youtubeにて鑑賞。33分頃に、奥さんが鞄を投げ捨てて崩れた後に文楽人形のおかみさんの大暴れがモンタージュする、これはまさに天才の所業。例えば小津の『晩春』では確か能楽堂で能を鑑賞するシーンがある。ショットを割って、舞台、キャメラ......しかし本…

入院生活約一か月 近況報告とか読んだ本とか諸々

近況報告 「微小変化型」の一次性ネフローゼ症候群にて一か月の入院予定であったが、尿たんぱくの数値のがあまり落ちないのでもう一か月は入院を見込んだ方が良いとのこと。 最悪「膜性腎症」や「巣状分節性糸球体硬化症」の場合は透析が必要になることもあ…

『Slay the Spire』全キャラA20心臓討伐達成 猿でも勝てる攻略ガイド

プレイ時間はmodを使用している影響で正確にはわからないが、35時間前後だと思う。とりあえず一周A20心臓を全キャラで攻略する為には四択ネオーmodで初手ボスレリックガチャから『パンドラの箱』を狙うのが一番手っ取り早い。 →ウォッチャーに限れば『スネッ…