『ブラッド・インブラッド・アウト』(1993/テイラー・ハックフィード)覚書2021/7/20

 Youtubeにて鑑賞。これは面白いね、三時間の尺に見合った脚本。そう、脚本の映画だネ。

 一筋二抜け三動作を実感する映画。クソみたいな街で生まれて、ギャングの道を歩き出した三人。大体一番ヤンチャな奴が逆にマトモになって、一番ダメな奴が(落ちこぼれが)そのままくり上がって行くのはあるある。ヤンキーが家族(子供)作って改心なんて腐るほどあるんだから。

 本作の何が良いのか? A.省略。年が飛ぶ。映画の、そして小説の、この省略の力ってのは本当に凄いんだナ。ムショ入って男を磨いた者、絵で成功したもののやはり地元の影から逃げられなかった者、そして地元を捨てた者......ちゃんと三人のパートを割って入れているのも良い。

 というか『プリズン・ブレイク』もそうだけど刑務所パートがそのものがまず独立して面白いしね。白と黒、中間だからこそ出来ること……そう絵描きとボクサーの決別、父からも捨てられ……

 モーガン・フリーマンやっぱり重要な役じゃん! そして足を失い、ムショに戻って来る。成し上がってって、事件が起きる。しかし裏切ったのは右腕で自分をボスにする為に、そうするしかなかっと、命を捧げる__まさに血の証明。ここでフツーに白人との戦争に持ってかないでこうして終わるのは上手いね。

 この男の成り上がりストーリーってのも省略の力である。

 そしてラスト、二人絵の前でじゃれあって、かつての若き青春を夢見ながら、もう元には戻れないとしつつも、郷愁に浸る……いや~三時間の価値あるよ。面白い!