『夜の人々』(1948/ニコラス・レイ)覚書2021/7/24

 DVDにて鑑賞。フィルマークスの点数がムダに高いけどよく見るシネフィルはそこまでの点数つけてなくて安心した。正直微妙……なんか長ったらしく感じてしまったな。

 時計を買った店の主人に犯行中に話しかけられてぶん殴るくだりとかかなり良くて、冒頭の誰も知る筈のなかった物語、という語りが……彼が彼女に好意を抱いてしまったが為に、ささやかな時計のプレゼントをそこで購入してしまったが為に、完全犯罪が水の泡に帰した! としたらなんとドラマチックだろうと勝手に盛り上がっていたら特になにもなくおっちゃん退場。以降出番なし!

 で、なんか知らんけど二人のメロドラマが始まって(犯罪者なのにめちゃ呑気)これもなんだかかったるい。ゴダールの男と女と車があれば映画が撮れるとロッセリーニの『イタリア旅行』を観て思ったという言葉は有名だけれども本作もかなりそれで尺を稼いでいる。でもそういうことじゃないんだよな、俺が求めているのは『拳銃魔』なわけでして。

 クリスマス映画ってのは良い、何故なら私の誕生日だから。しかしラストもなんだか辛気臭いちゅーか説教臭いっちゅーか……そういうのなら『暗黒への転落』のがよっぽど良いやね。なんだよこの臭いボニー&クライドは……そこは察して逃げて散って欲しかったな、そう考えると『勝手にしやがれ』の歩行がどれだけ素晴らしいか!

 前半はかなり良かったけども脱獄仲間と別れて二人のメロドラマが始まってからはう~ん……微妙。バーのトイレでお説教食らうシーンは良い。