阪妻の『無法松の一生』4Kを観て散歩した 2020-11-4

 6時30分 起床。3時過ぎまで眠れなかったのでTBSJUNKのカーボーイを聴いていた。最近寝すぎていたので丁度いいかもしれない、明日はバイトなので今夜は早く寝付けることを願うばかり。ぼーっとして目を覚ます。

 8時 寝具一式を洗濯機へ。『あちこちオードリー』『霜バラ』を観ながら朝食。

 9時 寝具一式を干す。コロコロで掃除。

 9時30分 出発。東京国際映画祭の会場へ。

 10時40分 六本木EXシアターに到着。阪妻の『無法松の一生』4Kリマスターを観る。宮川一夫キャメラプレイがヤバすぎる、焼き魚のアップから上に移動しつつ下がって行ったり玄関でズームから引いてったり太鼓のグイっと斜めに上がって行ったりもう最高すぎる。オープニングからクレーンでぬるぬる動いちゃうんだから、モンタージュもサイレント期のようなスピード感でぶち上がり、三船版と比べるとこちらは検閲シーンを除いたとしてもかなりスタイリッシュというか、リメイク版がかなりくどいことに気がつく。あちらは雪山に埋もれるけれどこっちはもうパタッと車輪が止まる。ラストの走馬燈阪妻版の方が格段に上で、(そら撮影が宮川一夫だもん)もう最高すぎる。凧を直すシーンとかこちらはかなりサイレントチックな動きで時代によってこうも変わるのかと。勿論三船版も面白いんだけれど。

 

 自分の思い込んでいる数字が怪しくてちゃんと確認したら間違えていたのに最初の数字を入力してしまった。悲し〜〜〜

 14時30分 帰宅。NHKラジオ第二『まいにちフランス語入門編』を聴く。遅めの昼食。

 15時 洗濯物を取り込んでベッドメイキングをする。本当にだるくて嫌になる。

 16時 ぼーっとするつもりがネットサーフィン。情報が多すぎるんだ現代は、もう少し何もしない方が絶対良い。ネットもテレビもラジオも映画も読書もない時間が必要だ。

 16時30分 なんかムカついたので散歩する。ついでに昨日教習所で受けた視力検査が片目0.3両目0.7と納得がいかないのでメガネ屋で再検査する。

 結果は片目1.0ずつ両目1.5だった。少し考えれば当たり前なのだが、教習所では最低基準の0.3と0.7までしか検査をしないらしい。ぼやけ等全く身に覚えが無かったがこれで一安心。良かった〜視力だけがとりえなので。

 18時 井の頭公園を歩く。帰宅中のサラリーマン、子連れの親子、ランニングする年寄りと三者三葉の面子。彼らのはいかに金をかけずにどれだけ帰宅を遅延出来るか粘っているのだ。僕も紛れもなくその一員で、日が沈み静かに波打つ水面を眺めながらただ歩くのだ。その辺の切り株に座ったらナメクジを尻で踏んだ。不思議と悪い気はしない。

 18時10分 パートナー同士は似るとよく言うが、こう繁華街や公園を散歩しているとつくづくその通りだと感じる。

 僕がひたすら歩いたとして、空から美少女が降ってくるだとか、エリック・ロメールのフランス映画のように少女と目が合い、少し会話しているとなんだか自然と距離が縮まって__なんてことが起こり得るだろうか。

 もし僕と瓜二つの少女がすれ違ったとして、それ故に決して二人が交わることは無いだろう。そんなことを、ベンチに座るカップルの前を通りがかる度に考えてしまうのだ。

 18時30分 高校生のカップルがベンチに座ってスマホを弄くり合っている。ああなんと美しい光景だろう、それこそ人生における遅延の真の目的、究極の遅延、よしんばこのまま世界が止まってしまえばと願う二人は愛のモニュメントとして僕の目を離さない。時折目の前の電燈に群がる虫の数を数えながら、疎ましくも二人を見つめてしまうのだ。

 1秒でも早く帰宅したくない、粘り続ける想いは僕も彼らも同じな筈だが僕のそれには大穴が空いており、青春とやらの風も匂いもわからなくなってしまった。僕はこのまま一生フリーターとして死ぬのだろうか、しかしそれもなんだか悪くない、というより納得してしまう自分が少し恥ずかしい。

 18時30分 いきなりステーキ前の古本屋に寄る。古本屋は100~200円の文庫を買うには良いんだけど、700~1000円前後だとAmazonの方が送料込みでも安かったりするのがう〜ん。ユリイカボードレール号、平凡パンチ三島由紀夫快楽亭ブラックの放送禁止落語大全らを保留。

 20時30分 帰宅からの入浴、久しぶりに歩いた。二、三ヶ月に一回無性に歩きたくなるのは何なんだろう。

 21時『ホンマでっかTV』を観ながら夕飯。

 23時 ネットサーフィン開始。明日はバイトなので早く寝る。